こんにちは、くまさです。
前回の記事で期待値から考えると保険は損しかしないという話をしました。

保険の話が続いたので、今回も保険関係の話をします。
今回のテーマは保険ではないが、保険の機能を持つ「都道府県民共済」について紹介します。
・県民共済の特徴を知りたい方
はじめに
いきなり結論を言います。
民間保険よりも経済合理性に優れる保険、それは都道府県民共済です。
そもそも都道府県民共済って何?
都道府県民共済は都道府県ごとに展開する共済(生命共済)で、運営するのは都道府県の生協組織(会員生協)です。
ちなみに全ての都道府県に存在するわけではなく、残念ながら鳥取県と徳島県と沖縄県にはありません。(2021年5月7日現在)
共済と民間保険の考え方の違い
消費者からお金を集め、万一の時にお金を分配するというコンセプトは共済も民間保険も同じです。
しかし、民間保険は最終的には会社としての利益の最大化する使命がありますが、共済は利益を目的としていません。
組織内の行動原理が違うので、保険料(県民共済では掛け金と呼ぶ)となる原資から保険運営者にコスト(利益)を引かれる量が圧倒的に少ないです。
つまりは共済に入った方が民間保険に入るよりも消費者はお得ということになります。
都道府県民共済の保障の特徴
保障する範囲について
都道府県民共済は都道府県ごとに運営元がいますが、基本的には全て保障する範囲についての方針は同じです。
一言で言うと「広く浅く」です。
保険には保障をするうえで契約があります。
被保険者の死亡で〇〇円、障害で××円、入院で△△円、といったかたちです。
これが県民共済だとパッケージ化されていて、丸ごと保障をしてくれます。
(丸ごと保障する民間保険もあります)
ここからは都道府県民共済のメリット・デメリットを書いていきます。
メリット
ここからは都道府県民共済のメリットについて書きます。
家が安く建てられるとか結婚式が安く挙げられるとかスーツを安く作れるとかありますが、民間保険も色々やってますし、保険の内容とは趣旨が外れるので今回はメリットからは外します。
答えをもう言ってますが、保障内容に対して保険料(掛け金)」が安いです。
試しに埼玉県民共済とライフネット生命でできる限り条件を合わせて比較してみます。
※都道府県民共済はたくさんありますが、欲しい情報が出ていたので埼玉県民共済を選択しました。

(*1)埼玉県民共済で18~60歳の範囲なのでその間の年(18+60)/2=39歳で算出
(*2)埼玉県民共済は死亡保障が原因によって保障金額が変わるので各原因ごとの死亡保障額の平均
(*3)埼玉県民共済が60歳までの保険期間、上記(*1)でライフネット生命で年齢の前提を39歳としたので60歳までを保障期間となるよう20年で設定(39歳+20年≒60歳)
上の表から「死亡保障」のみで1,926円のライフネット生命と、「死亡保障」以外に「医療保障」などもある埼玉県民共済で2,000円/月では明らかに埼玉県民共済の方がお得なことがわかると思います。
5個入り100円のお菓子と10個入り120円のお菓子なら10個入り120円のお菓子の方がお得なようなものです。(この数字自体は適当です)
※今回はライフネット生命を引き合いに出しましたが、ライフネット生命を悪く言う意図は一切ありません。
たまたま「情報開示に積極的な民間保険」だからライフネット生命を選びました。
むしろ創業経緯や他よりも良心的な商品設計、手数料開示する方針など、むしろ個人的に好きな保険会社です。
気になる期待値について
前回で保険の期待値について書きました。
埼玉県民共済はこれを開示していました。
(保険金(共済金)+割り戻し金)=期待値)は掛け金の97%とのことです。
比較的良心的であるライフネット生命でも70%なので県民共済の圧倒的なお得さがわかると思います。
(よりわかりやすく言うなら、100円渡して埼玉県民共済は97円返してくれて、ライフネット生命は70円返してくれるイメージです。
デメリット
当然、全てにおいて県民共済が優れているわけではありません。
ここからはデメリットについて書きます。
デメリット1
まず大きなデメリットは、人によっては必要の無い保障までついている可能性があるということです。
例えば、独身の方であればその方が亡くなった時に困る家族がいないのであれば、死亡保障はいりませんよね。
もし万一の入院のためのお金がいるとしたら、入院タイプの医療保障のみが保障されればいいですよね。
そのため、必要の無い死亡保障があることで、ある意味では「無駄な保険に入っている」状態になります。
デメリット2
次のデメリットはどんな年齢でも金額が一律なので、若い人は相対的に損をすることです。
今回の保障内容は18~60歳でしたが、18歳と60歳の死亡率や入院率が大きく違うことは予想できますよね?
それでも掛け金が同じということは60歳に近い人ほど得をし、18歳に近ければ損をするということです。
(あくまで確率論的にです)
デメリット3
県民共済は保障額(共済額)が少ないです。
そのため、保障額が少ない分は民間保険で補うことになります。
そうなると「結局民間保険のみに入る方がお得だった・・」という可能性もあります。
特徴から考える向いている人、向いていない人
向いている人
・保険には入りたいが、手広い保障のものに安く入りたい。
・特別な保険には入る必要が無い(がん保険、就業不能保障保険など)
・万一のお金の準備ができている。
向いていない人
・保険に対してオーダーメード的な使い方をしたい
(例1.自分がガン家系で、ガンになる確率が高いと感じている
(例2.家族が多いため、万一の時の保障だけは充実させたいが医療保障は必要無い
まとめ
ここまでを復習します。
県民共済は保障内容に対しては安くてお得
県民共済はお得だけど、その保障内容が各個人によって必要かは別の話
あくまで「自分」にとって何の保障が必要か考えてそれを補う形で保険に入ることが大事
いかがでしたでしょうか?
県民共済のお得さは伝わったと思いますが、あくまでも保障内容に対して数字的にお得というだけの話です。
各個人で事情も違うので、
・そもそも自分にとって保険機能はいるのか?
・いるならその時にどれだけお金が必要なのか?
・それを補うための保険は何か?
といった形で考えて保険を選ぶと無駄なお金を使わずに済みます。
皆様のQOL向上に役立てて頂けると幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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