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【基礎編】保険の値段の仕組みを知る

こんにちは、くまさです。

保険に入るか検討しているけど、そもそも保険の仕組みってどうなってるんだろ?

今回はこんな疑問を持つ方に向けて記事を書きます。

 

この記事では、まずは保険の基礎を学べる内容を書きました。
すぐに役立つ内容ではないですが、「へー、そうなんだ」と思える内容になっています。

 

こんな人におすすめ
・保険の仕組みを知りたい方
・保険を入ることで得をするのか損をするのか知りたい方

 

はじめに

保険というのは確実に胴元がいます。
そして胴元がいるということは、胴元である保険会社は確実に、損をしないように商品を設計します。

 

逆に言うと保険に入る消費者は保険会社と比較して、相対的に損をするように設計されています。

 

以下で詳細を解説します。

ここで言う損をするというのは、あくまで確率論的に損をするという話です。
万一のことが起こるのは「確率的に少ない方に転んだ」というだけですので、「保険に入らなかったから保険金が入らなかったぞ!」というクレームはご勘弁下さい・・

記事で扱う保険の前提

保険と言っても範囲が広すぎるので、イメージしやすいように本記事で扱う範囲を以下としました。

  1. 〇〇生命などの保険会社が扱っている民間保険を想定(国が主催している社会保険や共済は除く)
  2. 人が亡くなった時の保障を想定
  3. 掛け捨ての定期保険とする

保険の値段を知る上での用語

保険者とは
保険料を徴収し、保険事故が起きた時は契約の保険料を払う義務を負う者。
ここでは保険会社。

 

被保険者とは
保険料を支払い、万一の時に契約の保険金を受け取る者。
ここでは消費者。被保険者という表現はわかりにくいのでここでは消費者と表現する。

 

保険料とは
消費者が保険会社に支払うお金。

 

保険金とは
保険事故(後述)が起きた時に保険会社が消費者に支払うお金。

 

純保険料とは
保険料は純保険料と付加保険料(後述)の2つに構成される。
純保険料は消費者が支払った保険料が実際に保険金に充てられる部分。

 

付加保険料とは
保険会社が事業運営するための費用。

 

保険事故とは
保険者(保険会社)が保険金の支払いをしなければならない事象。(今回で言うと被保険者(消費者)が亡くなるなど)

 

死差益・死差損
保険会社は人が生きていくうえでのその年齢ごとの死亡率のデータを持っています。

例えば30歳であれば0.5%、50歳であれば2%、70歳であれば15%など。
当然年齢が高くなればなるほど死亡率は高くなっていきます。
そして保険会社はこの死亡率から計算して保険料を決めています。

死差益・死差損というのは
この統計データと保険に入った人の実際の死亡率のズレ
利益が出たり、逆に損をしたりすることです。
(例えば統計上0.5%の死亡率なのに、保険に入った方の実際の死亡率が0.2%だと保険金を払う金額が減って死差益が出るということになります)

 

費差益・費差損
費差益・費差損は「保険会社が想定していた経費と実際にかかった経費の差」です。
保険会社が想定していた経費(人件費、広告料、オフィス代など)よりも大きくかかったら費差損になり、想定していたよりも小さければ費差損になります。

 

利差益・利差損

利差益・利差損は「保険会社が想定していた運用利回りと実際に達成した利回りの差」です。

保険会社は皆から集めたお金をただ現金のまま積んでいるわけではありません。
積んだお金を安定的に増やすと同時に、保険事故が起きた時はすぐに払えるよう、お金の流動性を意識しながら運用を行っています。

次からは仕組みを図解にします。

保険に関わるお金の流れ

ここから先は我々消費者ではなく、保険会社の中からお金の流れを見てみます。

保険会社が徴収した保険料のお金の流れは以下のようになります。

(1)消費者が保険料として保険会社にお金を支払う
(2a)保険会社が事業のために経費を使う(付加保険料)
(2b)集めた保険料を保険会社が運用する
(3)保険事故が起きた時は保険会社が消費者に保険金を支払う(純保険料)

次からは保険料の構成を書いていきます。

保険料の構成

保険会社が集めたお金はどのような構成になっているのでしょうか?

保険会社の中の人ではないので、当然数字は推測が入っていますが、ライフネット生命は保険料の内訳を一般公開しているのでそれを使います。そのため大きく外れていないと思います。
今回は10年定期保険を使っています。

https://www.lifenet-seimei.co.jp/shared/pdf/insurance_table_2019.pdf

この表からは純保険料と付加保険料の内訳を割合にしてみます。
すると保険料に対する純保険料の割合が71.4%、付加保険料が28.6%となりました。
保険料の7割が実際の保険金に使われ、3割は事業運営のための経費に使われているということになります。

計算を簡単にするために、純保険料は保険料の70%とします。
保険会社が集めた保険料の構成要素をわかりやすいようにイメージ図で示します。

上記グラフでわかるように、

保険会社に支払った保険料(原資産):10,000は

保険会社の経費や利益のために圧縮:7,000されます。

 

この圧縮が保険に入ると損をする理由です。

バブル期はどうだったか

ちなみにですが、保険会社の運用する見込みの運用利回りを予定利率と言います。
昨今はマイナス金利の影響で運用利回りが下がり保険会社も高い運用利回りが見込めない状況です。
これがバブルの時のような状況ですと予定利率が非常に良かったおかげで、現在よりも相対的に良い保険の商品設計(俗に言うお宝保険)になっていました。
参考に下にイメージを示します。

運用する上での環境がいいので、運用益が大きく出ています。
運用益が出ている分、保険金支払に充てられるようになります。
これがバブル期にお宝保険があったと言われるメカニズムです。
(繰り返しますが、数字は適当ですのであしからず)

保険会社は株式会社なので、株主のために会社の利益を最大化する義務があります。
つまりは、良くも悪くも向いている方向は消費者ではなく、株主の方を向いて行動するということです。
「仕組み」を知っておくことでその人や組織がどのような行動原理を取るのかということは理解しておくといいでしょう。

まとめ

ここまでをまとめると、

保険料の値段を決める要素として、

死亡率から統計的計算によって算出される見込み支払保険金額

見込み経費

見込み運用益

がある。

保険は基本的には胴元(保険会社)が儲かる仕組みになっているので、「確率的」には保険会社は儲かり、消費者は損をするように作られています

大事なことは、「確率的」に損をすることをわかったうえで

「確率的には損をする」とわかったうえで、万一の時のカバーを手持ちの資産ではカバーできないから必要最低限の保険に入ると判断するのか

保険に入らない方が「確率的」には損をしないのだから入る必要は無い、それでも何か起こったらその時に考える又は運が悪かったと諦めるとするのか

保険に入らない方が「確率的」には損はしないし、さらに何か起こっても大丈夫なように蓄えはされているから保険には入らないと判断するのか

これらの選択肢はその人の健康状態や保有資産、家族構成、そして最後は価値観によります。

重要なことは「中身を知ったうえで考え、行動する」ということです。

いかがでしたでしょうか?
保険の値段が決まる仕組みをわかったうえで、一度周りの方と保険をどう考えるか相談してみることをおすすめします。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

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