こんにちは、くまさです。
最近は証券会社の新規口座の開設数がぐんぐん伸びていて、株式投資を始める方が増えているようですね。
株式投資にも様々な投資方法があります。
グロース投資、バリュー投資、配当再投資、インデックス・・などなど
どの投資方法が正しいというのはありません。
投資する人が自分の性格、資産背景、リスク許容度を考えてそれに最適な投資方法を選ぶだけです。
ところで最近こんなツイートをしました。
・配当を得て再投資
・税金の支払いに手間のかからない源泉徴収無しを選択このようなスタイルで株をやってる方は多いとは思いますが配当出るたびに税金引かれては再投資の効率は悪いです😓
逆に再投資せずに生活に使う、確定申告の手間に見合うほどの配当を得てないなら源泉徴収有りでもOKです😆
— くまさ (@kumasadayo) June 23, 2021
配当金を再投資する投資方法(以後配当再投資戦略)はそれ自体が間違いではないんですが、証券口座を「特定口座(源泉徴収あり)」で運用していると損をしてしまいます。
今回はその方法では損をする理由と、その解決方法を記事にします。
はじめに
まずは前提を書きます。
配当再投資戦略とは?
配当再投資戦略とは株式投資で定期的に入ってくる配当金を元手にさらに株を買うことです。
この投資手法の特徴は以下です。
・株の値上がり利幅を得るスタイルではないのでチャートをあまり気にしなくて済む
・定期的に配当金が入ってくるので安心感がある
・配当金を再投資するという性質上、必然的に配当金の多い企業やファンドへの投資が多くなる
・配当金の多い企業への投資となると傾向的に今後の大きな成長というよりも成熟した企業への投資になりやすい
どちらかと言うと攻めよりも守りのイメージの強い投資手法ですね。
特定口座(源泉徴収あり)とは?
特定口座(源泉徴収あり)とは証券会社で証券口座を持つときの口座の種類の一つです。
証券口座には大きく口座は3つ、
「一般口座」、「特定口座(源泉徴収なし)」、「特定口座(源泉徴収あり)」です。
それぞれの特徴としては以下です。
口座書類 | 特徴 |
一般口座 | ・株で利益を得た場合は自分で確定申告をして税金を支払う必要あり。 ・その際の取引履歴(以後年間取引報告書)は証券会社から支給はされない。 ・税金は利益が出た年の翌年の確定申告で支払い。 |
特定口座 (源泉徴収なし) |
・株で利益を得た場合は自分で確定申告をして税金を支払う必要あり。 ・その際の年間取引報告書は証券会社から支給はされる。 ・税金は利益が出た年の翌年の確定申告で支払い。 |
特定口座 (源泉徴収あり) |
・株で得た利益は証券会社が確定申告してくれる。 ・利益が出た時点で税金を引かれる。 |
株式を始める人は自分で税金を支払う手間が少ないということで、特定口座(源泉徴収あり)を選択する人が多いようです。
今回の主張
今回話をするのは
「配当再投資戦略自体が間違った投資手法」と言いたいわけではなく、
「配当再投資戦略×特定口座源泉徴収あり」の組み合わせにすると経済合理性が悪くなるという話です。
投資のパフォーマンスを決めるのは投資能力×税務戦略
もう少しわかりやすくするために具体例を書きます。
まず、投資のパフォーマンスを左右する要素は大きく2つあります。
それは投資能力(どこにいくら投じるか)と税務戦略(税金をいかに払わないか)です。
イメージとしては以下です。

ここで言いたいことは、投資のパフォーマンスを上げるためには投資能力(どこにどのくらいの金額を投じるか)だけでなく、得た投資成果をいかに税金として持っていかれないかも同時に必要と言うことです。
特定口座源泉徴収ありで損をする理由
ここまでで話の前提と主張をわかって頂けたと思います。
ここからは証券口座を特定口座(源泉徴収あり)で配当再投資戦略を取ると損をする具体的な理由を書きます。
その理由は「配当金が出るたびに20.315%(米国株なら約3割)の税金を引かれることで、再投資するためのお金が減ってしまうから」です。
根拠
ここからはその根拠を書きます。
わかりやすく毎年1回、10,000円の配当を得たとします。
この時に特定口座(源泉徴収あり)の証券口座で配当金を受け取ると税金が(ここではわかりやすく2割とします)引かれます。
そうすると手にできるお金は10,000円×0.8=8,000円。
この8,000円が再投資にかけられる金額になります。
これに対して、一般口座または特定口座(源泉徴収なし)で配当金を得ると税金を支払うのは次の年の確定申告の時です。
そのため、10,000円そのままを再投資に充てることができます。
この差が長期的にどのくらいの差になるかわかりやすく表にしてみます。
前提は以下
・毎年5%成長
・株式(ファンド)の売買手数料はかからないとする
・確定申告の際の税金はその分株を売却とする
・配当金は毎年1月1日に入るとする
(実際にはそんなことはありえませんが)
特定口座 (源泉徴収あり) |
一般口座 又は 特定口座(源泉徴収なし) |
|
1年目 | 8,000 | 10,000 |
2年目 | 16,400 | 18,500 |
3年目 | 25,220 | 27,425 |
4年目 | 34,481 | 36,769 |
5年目 | 44,205 | 46,636 |
6年目 | 54,415円 | 56,967 |
7年目 | 65,136 | 67,816 |
8年目 | 76,393 | 79,207 |
8年後にはパフォーマンスの差が79,207/76,393=3.6%付いています。
損をしないためにやるべきアクションプラン
ではこの差を埋めるためには何をすればいいのでしょうか?
これは簡単で、証券口座を「特定口座(源泉徴収あり」を「特定口座(源泉徴収なし)」か「一般口座」にして確定申告で自分で税金の払い込みをすることです。
尚、もし証券口座を変えるなら一般口座にするメリットはほぼ無いので、特定口座(源泉徴収なし)一択です。
変更のやり方は証券会社のホームページで設定をするだけです。
ただし、変更手続きをしたらすぐに変わるケースと変わらないケースがあります。
そのため変更したい意思があるなら早めに変更しておくことが吉です。
わかりやすい記事があったので以下にリンクを貼っておきます。
https://www.fincy.jp/tax/a_1411
注意点
ここまで配当再投資戦略を特定口座(源泉徴収なし)にすることをお勧めましたが、注意点は無いのでしょうか?
注意点は以下のことが挙げられます。
・確定申告時期に税金で支払うための現金を用意しておく必要あり
・売買頻度が多くなるため、売買手数料がかさむ可能性あり
・確定申告をする手間がかかる
以上注意点から、私が考える特定口座(源泉徴収なし)に変更することに向いている方は
運用する金額が大きく
売買手数料が安い、または無料の証券会社を使っていて
確定申告をすることが苦にならない
以上のような方と考えます。
まとめ
配当再投資戦略×特定口座(源泉徴収あり)は相性悪い
配当再投資戦略を継続するなら特定口座(源泉徴収なし)にすることが最適解
特定口座(源泉徴収なし)にすると確定申告の手間もあるので、変更するかしないかは総合的に考えて実施する
「投資方法に正解は無い」この真理について書いた記事は以下となります。

皆様のQOL向上に役立てて頂くと幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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